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世界中の国や民族に昔から伝わる伝統芸能を保存するために、ユネスコでは世界無形文化遺産の登録を行い、その保存につとめているが、このほど日本では人形浄瑠璃、能楽などに続いて、歌舞伎が指定を受けた。 これを受けて、日本国内で歌舞伎への関心を持つ人が増えてきている。築50年になる銀座の歌舞伎座の建て替えも具体化されつつある。また若手歌舞伎役者の活躍や、中村雁次郎改め、231年ぶりの坂田藤十郎襲名など、歌舞伎界は今、話題に事欠かない。 歌舞伎座に向かう外国人観光客の姿もよく見かける。歌舞伎は名前の通り、「歌」と「舞」と「伎」からなるだけに、外国人にも取っつきやすくて雰囲気はどこかお祭り的である。言葉がわからなくても楽しめるように、「イヤホンガイド」(Earphone Guide)と呼ばれる英語のテープも用意されている。芝居の進行に合わせたあらすじばかりでなく、配役や音楽、大道具などについての解説がある。使用料は650円。場内の売店では、あらすじの付いた英語のプログラムも販売している(1000円)。 ただし、4時間も続く歌舞伎は少し退屈かもしれない。そのような客には、「一幕見」(one act viewing)が便利だ |
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のように紹介してあげよう。舞台からは遠いので、できればオペラグラスや双眼鏡を持参するようにしたい。一幕見席に案内した外国人の中には |
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といったジョークを飛ばす人がいる。
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舞台上で、いかにも色っぽい仕草を演じている美しい女性を見ながら、 |
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不思議がられたら、 |
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のような説明をするとよい。しばらく前の映画に、ダスティン・ホフマンが女役を好演した「トッツィー」という作品があった。その彼が、女形の代表格である板東玉三郎の演技を評して、I don't want to challenge him.(彼とは競いたくないね)と語っている。
Wonderful makeupといえば、赤、黒、青で描かれた「隈取り」(colorful Kabuki makeup)は、まるでお面のようだ。Mask-likeなこの化粧で人物の性格を誇張して見せるわけである。口の悪い外国人男性は、厚化粧の女性を評してKabuki makeupなどと形容する。ちなみに、歌舞伎座土産には16の隈取り面が名前入りで描かれている手ぬぐいがお勧めである。 ほかにも外国人にはちょっと気になる舞台上の人がいる。「黒衣」(black-robed stagehand)の存在で、「あれは忍者か?それとも悪魔か?」と疑問を持つ人がいる。その答えとしては、 |
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のような説明が可能。実際、派手な衣装を身にまとって熱演する歌舞伎役者の声や動きに見とれて夢中になってしまい、すっかり忘れてしまう。黒衣は縁の下の力持ちなのである。 |
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舞台にはいろいろと歌舞伎独自の仕掛けや様式がある。一瞬にして場面が変わることを可能にするのが「回り舞台」(revolving stage)、まるでファッションショーのような感じの舞台と観客席を貫いて設けられた「花道」(stage passageway)、役者が下から出てくるときに使う「セリ」(trap door)。戦いや踊りや曲芸、それぞれの場面場面で舞台が存分に利用されているのがわかる。 歌舞伎にまだ関心のない人たちにも、歌舞伎っぽさを思い浮かべる一番の動きは見得(climactic pose)を切るときの仕草だろう。その動きは、 |
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のようになる。 このクライマックスのポーズが決まると、屋号のかけ声が出る。突然、観客席から大きな声がかかるだけに、びっくりする外国人客もいる。驚いたイギリス人が、「救急車を呼んだほうがよいのでは?」と半ば本気で心配したことがあった。そんなときは、 |
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といった説明をすれば、帰国してからも歌舞伎のまねごとをして、周りの人たちに日本文化の一端を伝えてくれるかもしれない。 |
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