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レジャー研1996:パネルディスカッション
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観光立国ニッポンの条件――国際観光の潮流が働くものに迫る課題
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□パネリスト 山下 哲郎 氏 (WTOアジア太平洋事務所長) 稲垣 勉 氏 (立教大学社会学部観光学科教授) 笠岡 英次 氏 ((社)日本ナショナルトラスト協会評議員) 川筋 一司 氏 (ホテル労連関西・中部支部副委員長) □司 会 内藤 義治 (RIC事務局長) 司 会 近年、交流人口の拡大による国や地域社会の活性化を図ろうという動きが世界的に盛んになり、特にその手段としての国際観光の振興については、観光開発のあり方を含め、業界枠を越えた国レベルでの具体的議論となっています。昨年アメリカで初の開催をみたホワイトハウス観光会議やアジア・太平洋地区における様々なプロジェクト、そして日本の「ウェルカムプラン21」など、どれも注目すべき事例です。 そこで、今回はこうした国際観光をめぐる世界の動向や日本が置かれている立場を改めて認識し、私たちの産業・労働に求められている課題を探ってみたいと思います。 まずは、山下さんに国際観光動向と日本の状況について、基本的なデータを踏まえたご意見をいただきたいと思います。 |
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![]() 講師:山下 哲郎 氏 WTOアジア太平洋事務所長 |
■世界旅行の現状と21世紀に向けた展望
山 下 世界旅行に関するこの10年間は、まさに右肩上がりで推移しており、1995年には実に世界の人口の約1割に相当する5億6千7百万人もの人々が世界を動いている、まさに民族大移動の時代とも言える状況となっています。特に平和な時期にこれだけの人々が動くということから、もはや観光は、宿泊産業、旅行業という狭い視野からだけなく、世界の平和戦略の一つとして捉えてもいいのではないかという見方すらあります。その行き先を方面別に見てみますと、1995年時点でヨーロッパが約60%、それに次いでアメリカが20%、アジア・太平洋地域が15%というように、現在の余暇先進国の状況を端的に表す結果となっています。 では、この先21世紀に向けてどうなっていくのか。私ども世界観光機関(WTO)では、1990年から20年間の需要予測を行い、この間に世界全体での世界旅行者数は倍増だろうとの見方をしています。ここで特徴的なことは、別掲のように、アジア・太平洋のマーケットが著しい伸びをみせ、2010年にはアメリカを抜いて全体の約24%のシェアをとるであろうということです。このことは、世界の来訪外客数から見た人気の旅行先の推移からもうかがうことができ、95年の人気トップ40には、5位の中国を筆頭にアジア・太平洋の国々が10カ国もリストアップされています。 しかしながら、非常にショッキングなことにこのリストには日本が出ていない。日本国内では1億総旅行時代となり、海外渡航者数も1500万人を突破するといった勢いですが、訪日外客数との差が、1994年段階で1000万人以上(観光白書)にまで広がるという非常にいびつな状況となっています。また、訪日外国人の国別の推移を見てみると、1985年にはアメリカが1位で、台湾、韓国、イギリスと続いていましたが、現在では1位が韓国の91万人で、次いで台湾。アメリカは3位に転落し人数も伸び悩んでいます。続いて中国、香港、イギリスと、外客国の構成が随分と変わってきています。先ほども申し上げたように、アジアがダイナミックに変化していることはこのような統計からもうかがえますが、どうもそれが日本を素通りしているのではないか、日本だけがそのダイナミックな変化から取り残されているのではないかという危惧すら感じさせる状況ではないかと思っています。 |
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