不登校の小中学生は全国で12万800人(99年度文部省学校基本調査)、高校生の年齢層で推定10万人、20歳以上の高年齢層で推定15万人と、約40万人の青少年が不登校あるいはひきこもりを続けています。不登校になるのにさしたる原因はないのが大多数です。「何となく学校に行かなかったら気分がよかった、楽だった。」から始まり、そのままずるずると不登校になっていきます。初めのうちはいいのですが、そのうち勉強の遅れや人目が気になりだし、気軽に家を出られなくなって「ひきこもり」へと移行していきます。
学校に行かない(行けない)、仕事をしていない(できない)といっても、学校や職場以外で社会とかかわりをもって活動できているのであれば、それはひとつの選択肢として捉える事はできます。しかし問題は不登校や無職(または無所属)が「ひきこもり」の状態に進み、身内以外の人たちと関係が希薄になっていき、社会的体験のできる機会が著しく制限されたり皆無となってしまうことです。社会性という社会の中で生きていく力(この力は人の成長の過程で社会によって育てられるもの。つまり親以外の他人から学ぶ大切な知恵)を身につけていない子ども達の悲劇はここから始まるのです。実態の伴わないイメージと偏った情報だけが膨らんで、正常な判断が阻害され、「こうしたい、でもできない」という堂々巡りの思考だけが繰り返されます。ひきこもりの年数を重ね、年齢が高くなればますますこの傾向は強くなり、プライドの高さ、イメージの膨らみすぎ、出られない苦しさ、実社会との壁の高さがこの状態からの脱出を妨害していくのです。
そうなれば彼らの行動はステレオタイプになっていき■自分の都合のいいときにしか外に出ない■昼夜逆転の生活になる■起きているときはテレビゲームばかりしている■親と口をきかない■親に顔を見せない■食事は一人でとる■親に無理難題を押し付けてくる■暴力的になる等々、これは彼らの環境がそうさせているのであって、同じような状況になれば誰にでも起こりうることです。
概して、彼らは真面目で責任感が強くシャイ、何事もやるとなったらとことんやらなければ気がすまないタイプです。また、どんなに親を責めても、彼らが一番好きなのは親です。彼らの心の中で、こんな自分に後ろめたさを感じていて、自分は親に捨てられるのではないかという不安にいつも苛まれています。それゆえ親の愛情を確かめるべく、親に無理を言いつづけるのです。
この子どもたちが一日も早く自分らしく生きていけるよう、その子の現状にあった方法を見つけ出し、迅速に対処していくことが周囲の大人たちの責任だと思います。そのためにも青少年の教育や相談に携わる者たちが、相互に利用できるネットワークを確立していくことが急務であると言えます。
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