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南部曲屋で、アジアの暮らしの形に学ぶ
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金子 量重 アジア民族造形文化研究所所長、(財)アジア民族造形館理事長
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■かねこ かずしげ
1925年神奈川県生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。アジア民造研、造形館での活動の他、中京女子大学客員教授、沖縄県立芸術大学講師、国民文化祭委員、外務省南西アジア無形文化財調査団長などをつとめる。著書に『日本とアジア――生活と造形』(全8巻)、『東南アジアの民族造形』『東南アジアを学ぶ300冊』など多数。 |
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岩手県の野田村。美しいせせらぎにそって山道を登りつめたところに、日形井という小さな集落があり、裏山から湧き出る水に誘われて、春おそく水芭蕉が可憐な白い花を咲かせる。カッコウの声がひときわ高く山に谺するころには、藤が満開になり、金山の新芽が黄金色に輝く。夏には、ハマナスが真紅の蕾を開き、咲き乱れるコスモスは秋の訪れを伝える。手をのばせば届くような星空の美しい季節を迎え、北斗がきわだって光る。その下で、木々は祭囃子の調べにあわせるかのように、色とりどりの衣に身を飾り立てる。やがて、風の神が交響曲を奏でながら、葉を大地に散らし、大空に白銀を舞わせ、山里は蕭条として静まり返る。四季の美しいうつろいの中に、人々に忘れ去れたように、がっしりとした南部曲屋が、建ち並ぶ。まさにお伽噺の舞台になりそうな里。そこにアジア民族造形館がある。 |
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