街を観察すると、子どもを連れた若いお母さんをよく見かける。
この世代は、団塊の世代とその子どもの団塊ジュニアに挟まれて、今まであまり注目を集めたことはなかった。
が、東京都の吉祥寺商店街が今年8年ぶりに行った来街者調査で、この子ども連れの若い母親が一番多かったのである。若者の街と言われた吉祥寺だが、実は子連れヤングママ達が押さえていたのだ。
この現象は都内のあちらこちらに見られ、自由が丘や原宿などでも顕著になっている。
そこで、新しい消費ターゲットとして、この行動的なママ=「知子さん世代」がクルーズアップされてくる。
知子さん世代とは、昭和32年から38年ごろに生まれた世代で、年令ほぼ30代前半であり、結婚して一人の子どもを持っている。両親は、おじいさんmおばあさんと呼ばれるにはまだ若く、年令は50代後半から60代前半(「プラチナ世代」)で、これから自分の人生を楽しもうという世代だ。
知子さんは高学歴化のなかで育った女性で、大学に入り、知識を学び、その知識によって収入を得ようとした女性達なのである。知子さんは知識の“知”を知る女性ということで名付けた。
今や、この知子さん世代の行動が次の消費の鍵をにぎるものとして注目されている。
彼女たちは欧米のファッション洪水の中で育ち、あふれる感性の持ち主である。したがって子どものライフスタイルは彼女がコーディネイトし、夫や両親にまで影響を及ぼす。
つまり、知子さんは、子ども、夫、二組の両親という計6人を巻き込み、彼女を中心とした消費行動が起こるのだ。
この知子さん世代をリサーチすると、特徴の一つとして、「生活を楽しむ」ことへの強い願望が浮上する。これは、日々の生活にメリハリをつけ楽しむ工夫を怠らないということで、例えば給料日には「給料記念日」など様々な記念日をつくり、その都度プレゼントの交換や食事会をしたりしている。また、「自分ギフト」という、自分に対して頑張ったことへのプレゼントをすることもある。
知子さん世代は案外、横のつながりが乏しい。都会では、相談する人もなく孤独になりがちである。そこで、幼児教育などを通して母親同士の交流が盛んになっている。また、横のつながりの薄さから情報不足に陥るため、『こどもぴあ』などの子連れ情報誌が人気なのも彼女たちのネットワーク不足が理由の一つだろう。
そこで、交流の場を提供したり、ネットワークづくりを促進させる様々なプランが今後必要となってくる。
社会も知子さん世代に注目しだし、公的施設での託児所の設置などを検討しだしている。
このように、知子さん世代は静かにしかも着実に社会を変えつつあるのだ。